BackStageでできること #38|期間分析で売上の偏りと「売上」「入金」の違いを読む
「今年はけっこう売れたはずなのに、口座の残高はそれほど増えていない」「先月は忙しかったのに、グラフでは売上が少なく見える」。フリーランスや個人事業主の方が感じるこうした違和感の多くは、「売上」と「入金」を同じものとして見ていることから生まれます。
この記事では、BackStageの期間分析(Proプラン以上)で売上の偏りを確認する方法と、画面ごとに異なる「数字の基準」の読み分けを解説します。請求日基準(発生主義)と入金日基準の違いが分かれば、資金繰りの判断と確定申告の準備を、同じデータから迷わずに進められるようになります。
「売上」と「入金」は別のタイミングで発生する
仕事を納品して請求書を出した時点と、実際にお金が振り込まれる時点には、たいてい時間差があります。月末締め翌月末払いの取引先なら、4月に請求した仕事の入金は5月末です。年末に請求した仕事なら、入金は翌年にずれ込みます。
会計の考え方では、売上は原則として「お金を受け取ったとき」ではなく「取引が発生したとき」に計上します。これを発生主義と呼びます。一方で、手元の資金が足りるかどうかを判断するには、実際にいつ入金されたかという入金ベースの数字が欠かせません。どちらが正しいかではなく、目的によって見るべき数字が違う、というのがポイントです。
- 発生主義(請求日基準):その期間にどれだけ仕事をして請求したか。確定申告や帳簿付けの土台になる考え方です。
- 入金ベース(入金日基準):その期間に実際にいくら入ってきたか。資金繰りや生活費の見通しに使う考え方です。
BackStageの画面ごとの「数字の基準」
BackStageでは、画面の目的に合わせて集計の基準が分かれています。同じ期間を見ているのに金額が合わないと感じたときは、まず「どの基準の数字か」を確認してください。
- 期間分析(Pro以上):見積件数は見積日、請求件数は請求日で数えます。入金額と、売上顧客割合・月次売上推移は入金日基準です。
- ダッシュボードの年間売上推移グラフ:入金済みの請求書をもとにしたグラフです。
- 確定申告サマリー(確定申告プラン):売上は発生主義(請求日基準)で集計し、そのうち入金済みと未入金の内訳も表示します。
- 会計ソフト用の仕訳CSV(Business):売上の仕訳は請求日基準で作られます。
たとえば12月20日に請求し、翌年1月31日に入金された30万円の仕事があるとします。確定申告サマリーや仕訳CSVでは「請求した年」の売上として集計され、期間分析で翌年1月を指定すると「1月の入金」として表示されます。どちらの画面も間違ってはいません。見ている基準が違うだけです。
期間分析で売上の偏りを確認する手順
期間分析は、開始日と終了日を自由に指定して、その期間の営業と入金の状況をまとめて確認できる機能です。初期表示は過去30日間です。Proプラン以上で利用でき、Web版とアプリの両方から開けます。
- メニューから「期間分析」を開きます。
- 開始日と終了日を指定します。月次の振り返りなら1か月、偏りを見るなら半年〜1年など長めの期間がおすすめです。
- 見積件数と請求件数を確認し、営業活動の量を把握します。
- 入金額・件数と未入金額・件数を確認し、回収が進んでいるかを見ます。
- 売上顧客割合で、入金額がどの取引先に集中しているかを確認します。
- 月次売上推移で、入金の多い月・少ない月の波を確認します。
見積件数に対して請求件数が少なければ、成約につながっていない見積が多いということです。請求件数は十分なのに入金額が伸びない場合は、支払いサイトの長い取引先が増えていないか、期限を過ぎた請求書が残っていないかを確認しましょう。
売上顧客割合と月次推移の読み方
売上顧客割合は、期間中の入金額を取引先別の割合で示したものです。上位1社の割合が大きいほど、その取引先からの発注が止まったときの影響も大きくなります。何割を超えたら危険という決まった基準はありませんが、1社に大半を頼っている状態なら、新しい取引先を開拓する、単価や契約条件を見直すといった手を早めに考えておくと安心です。
月次売上推移は入金ベースなので、資金繰りの波がそのまま表れます。毎年同じ時期に入金が落ち込むなら、その前の月に固定費の支払いや大きな買い物を集中させない、繁忙期の入金から一定額を取り分けておく、といった計画が立てられます。季節性のある仕事ほど、1年以上の期間で見比べると傾向がつかみやすくなります。
期間を区切って比べるのも有効です。前年の同じ3か月と今年の3か月をそれぞれ表示し、入金額と取引先の顔ぶれを並べてみると、伸びた理由や減った理由が具体的に見えてきます。
月次の振り返りでは、「請求件数」「入金額」「未入金額」の3つを毎月同じ順番で確認するだけでも十分です。数か月続けると、自分の事業にとっての平常値が分かり、いつもと違う動きにすぐ気づけるようになります。
数字がずれて見えるときのつまずきポイント
期間分析とほかの画面の金額が合わないときは、次の点を確認してください。
- 入金済みにし忘れている:入金日基準の集計は、請求書を「入金済み」にしてはじめて反映されます。入金日は操作した日の日付で記録されるため、入金を確認したらその日のうちに操作するのがおすすめです。
- 年またぎの請求:12月請求・1月入金の取引は、発生主義では前年、入金ベースでは翌年に入ります。
- 源泉徴収のある請求:源泉徴収が差し引かれる請求書では、口座に振り込まれる金額は請求額より少なくなります。通帳の入金額と請求額を照らし合わせるときは、その差を考慮してください。
- 期間の指定:初期表示は過去30日間です。月単位で見たい場合は、月初から月末までを指定し直しましょう。
なお、確定申告での売上の計上時期は、取引の内容や記帳の方法によって扱いが変わる場合があります。最新の情報や個別の判断は、国税庁などの公式情報や税理士に確認してください。
まとめ
「売上」は仕事をして請求した時点、「入金」はお金が入った時点の数字です。BackStageでは、確定申告サマリーと仕訳CSVが請求日基準、期間分析の入金額・売上顧客割合・月次推移とダッシュボードの年間推移が入金ベースと、目的に合わせて基準が分かれています。
月に一度は期間分析を開き、営業量・回収状況・取引先の偏りをまとめて確認する習慣をつけてみてください。入金を確認したらその日のうちに「入金済み」にしておくことが、正しい数字を見るためのいちばんの近道です。
よくある質問
Q. 期間分析は無料プランでも使えますか?
期間分析はProプラン以上の機能です。無料プランではダッシュボードの年間売上推移グラフなどで売上の動きを確認できます。
Q. 期間分析の売上と確定申告サマリーの売上が違うのはなぜですか?
期間分析の入金額や月次推移は入金日基準、確定申告サマリーは請求日基準(発生主義)で集計しているためです。年末に請求して翌年に入金された取引などで差が出ます。
Q. 期間分析の入金日はどの日付になりますか?
請求書を「入金済み」にした操作日が入金日として記録されます。入金を確認したら、その日のうちに入金済みにしておくのがおすすめです。