BackStageでできること #27|源泉徴収の計算を具体例で:10.21%と20.42%
デザインや執筆、撮影、講演などの仕事で、取引先から「源泉徴収をした金額で請求書を出してください」と言われることがあります。10.21%という中途半端な税率や、100万円を超えたときの20.42%、消費税を含めるかどうかなど、自分で計算しようとすると迷うポイントがいくつもあります。
この記事では、源泉徴収税額の計算方法を3つの具体例で確認し、請求書での「お支払金額」の見せ方を解説します。後半では、BackStageの源泉徴収の自動計算(Pro以上)の設定手順と、見積書の段階での伝え方も紹介します。
源泉徴収の基本:誰が、何に対して差し引くのか
源泉徴収は、報酬を支払う側があらかじめ所得税と復興特別所得税を差し引き、支払う側が国に納める仕組みです。個人に支払う原稿料やデザイン料、講演料、写真の撮影料など、一定の種類の報酬が対象になります。支払う側が源泉徴収の義務を負う事業者かどうかによっても変わるため、自分の仕事が対象になるかは取引先と確認するのが確実です。
税率は、1回に支払う金額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%です。10.21%は所得税10%に、その2.1%にあたる復興特別所得税を加えた率です。また、請求書で報酬と消費税の額が明確に区分されている場合は、消費税を除いた金額を対象にして計算してよいとされています。制度の詳細や個別のケースについては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、税理士などの専門家に相談してください。
計算例で確認する源泉徴収税額
計算の順番は、①税抜の報酬額を確定する、②100万円以下の部分と超える部分に分ける、③それぞれに税率を掛けて合計する、④1円未満を切り捨てる、⑤消費税込みの合計から差し引いてお支払金額を出す、の5段階です。次の例で順に確かめてみましょう。
例1:税抜100,000円の報酬
源泉徴収税額は100,000円×10.21%=10,210円です。消費税は10,000円なので、請求金額の合計は110,000円。取引先から実際に振り込まれる「お支払金額」は110,000円−10,210円=99,790円になります。
例2:税抜1,500,000円の報酬
100万円を超えるため、2段階で計算します。100万円までの部分は1,000,000円×10.21%=102,100円、超えた500,000円の部分は500,000円×20.42%=102,100円で、源泉徴収税額は合計204,200円です。消費税150,000円を加えた合計1,650,000円から差し引き、お支払金額は1,445,800円になります。全額に20.42%を掛けるわけではない点に注意しましょう。
例3:税抜33,333円の報酬
33,333円×10.21%=3,403.29…円となり、1円未満を切り捨てて3,403円です。消費税は3,333.3円を四捨五入して3,333円、合計は36,666円。お支払金額は36,666円−3,403円=33,263円です。消費税と源泉徴収税額では端数の扱いが異なるため、手計算では特に間違えやすいパターンです。
請求書での「お支払金額」の見せ方
源泉徴収がある請求書では、「請求金額(税込)」と「実際に振り込まれる金額」が異なります。どちらの金額を請求しているのかが曖昧だと、取引先の経理担当者が確認に手間取ったり、源泉徴収が二重に引かれたりする原因になります。
BackStageで源泉徴収をONにすると、合計欄に「源泉徴収 -¥」として差し引く額が表示され、その下に「お支払金額」が表示されます。この表示はPDFにも印字されるので、取引先は小計・消費税・源泉徴収税額・お支払金額を1枚で確認できます。源泉徴収税額は税抜の小計に対して計算されるため、上の計算例と同じ考え方の金額が自動で入ります。
BackStageで源泉徴収を設定する手順
源泉徴収の自動計算はProプラン以上の機能です。Freeプランでは切り替えスイッチがロックされており、源泉徴収なしの請求書として扱われます。
- 請求書の新規作成画面で顧客・請求日・支払期限を入力します。
- 明細を入力し、各行の税率を選びます。
- 源泉徴収のスイッチをONにします。
- 合計欄に「源泉徴収 -¥」と「お支払金額」が表示されたことを確認し、金額が想定どおりかを見ます。
- 保存してPDFを確認し、メール送付またはダウンロードして取引先に送ります。
見積書から変換して請求書を作った場合も、変換後の請求書で源泉徴収のON/OFFを必ず確認しましょう。見積書には源泉徴収の機能がないため、請求書の段階で設定することになります。
見積書の段階での伝え方と注意点
見積書には源泉徴収の計算欄がないため、見積の金額は源泉徴収前の報酬額と消費税で提示することになります。後から「振り込まれた額が見積より少ない」と誤解されないよう、見積書の備考に「お支払いの際は、源泉徴収税額を差し引いた金額となる見込みです」などと書いておくと親切です。
よくあるつまずきの1つ目は、取引先が税込金額に対して源泉徴収を計算してくるケースです。請求書で消費税が区分されていても、取引先の社内ルールで税込額を対象にしていることがあります。入金額が「お支払金額」と合わない場合は、どちらの方法で計算したのかを確認しましょう。
2つ目は、源泉徴収の対象にならない取引でスイッチをONにしたままにしてしまうことです。支払いを受ける側が法人の場合(一部の例外を除く)や、源泉徴収の対象とならない業務では、通常は差し引きません。顧客ごとに源泉徴収の要否を社内メモなどに書いておくと、毎回迷わずに済みます。
3つ目は、1回の支払額が100万円を超える場合です。請求書を分けると20.42%の部分の計算が変わるため、支払いの単位は取引先の指示に合わせ、自己判断で分割しないようにしましょう。
まとめ
源泉徴収税額は、税抜の報酬額のうち100万円以下の部分に10.21%、超える部分に20.42%を掛け、1円未満を切り捨てて求めます。請求書では、請求金額と実際に振り込まれる「お支払金額」の違いを明確に示すことが、取引先とのすれ違いを防ぐ近道です。
BackStageのProプラン以上なら、スイッチをONにするだけで源泉徴収税額とお支払金額が自動計算され、PDFにも印字されます。源泉徴収のある取引が多い方は、14日間の無料トライアルで実際の請求書を作って確かめてみてください。
よくある質問
Q. 源泉徴収は税込金額と税抜金額のどちらで計算しますか?
請求書で報酬と消費税が明確に区分されている場合は、税抜金額を対象にしてよいとされています。BackStageは税抜小計に対して計算します。取引先の運用が異なる場合もあるため、事前に確認すると安心です。
Q. 無料プランで源泉徴収の自動計算は使えますか?
使えません。源泉徴収の自動計算はProプラン以上の機能で、Freeプランではスイッチがロックされています。
Q. 見積書にも源泉徴収を表示できますか?
見積書には源泉徴収の機能がありません。見積書の備考に、支払時に源泉徴収税額が差し引かれる見込みであることを書き添えておく方法がおすすめです。