BackStageでできること #40|家事按分のやり方|家賃・通信費・車両費の割合設定
自宅で仕事をしているフリーランスや個人事業主にとって、家賃やスマホ代、車のガソリン代は「仕事にも使うけれど、生活にも使う」支出です。全額を経費にするのは行き過ぎだし、まったく計上しないのはもったいない。その間を合理的に分けるのが家事按分(かじあんぶん)です。
この記事では、家事按分の基本的な考え方と支出ごとの割合の決め方、計算例、そしてBackStageで領収書ごとに事業使用割合(1〜100%)を設定する手順を解説します。設定した割合がどの画面に反映され、どこに反映されないのかも押さえておきましょう。
家事按分とは何か
家事按分とは、事業と私生活の両方に使っている支出を、事業に使った分とそれ以外に分けて、事業分だけを経費にする考え方です。一般に、按分の割合は「なんとなく」ではなく、使用面積・使用時間・走行距離など、説明できる基準にもとづいて決めることが求められます。
ポイントは、割合の根拠を後から説明できるようにしておくことです。間取り図に仕事部屋の面積をメモしておく、平日の作業時間を記録しておく、車の走行記録をつけておく、といった準備が、そのまま按分の裏付けになります。
支出別の割合の考え方と計算例
ここでは代表的な支出について、一般的に使われる基準の例と計算例を紹介します。実際の割合は、働き方や住まいの状況によって変わります。
家賃(自宅兼事務所)
床面積の割合で考えるのが代表的な方法です。たとえば専有面積が60㎡で、仕事専用の部屋が15㎡なら、事業使用割合は25%です。家賃が月12万円なら、経費にするのは月3万円、年間で36万円になります。リビングの一角を作業スペースにしている場合などは、面積に加えて使用時間も考慮する方法があります。
通信費(スマホ・インターネット回線)
通話や通信の時間、使い方の比率で考えます。平日の日中はほぼ仕事で使い、夜と休日は私用という方なら、50%前後で設定する例がよく見られます。月8,000円のスマホ代を50%で按分すれば、経費は月4,000円です。仕事専用の回線や端末を分けているなら、その分は100%として扱えます。
車両費(ガソリン代・車検・保険など)
走行距離の割合が分かりやすい基準です。1か月の総走行距離が1,000kmで、そのうち現場への移動や仕入れなど業務での走行が600kmなら60%です。ガソリン代が月1万5,000円なら、経費は9,000円になります。
水道光熱費
電気代は作業時間や使用している機器、部屋の面積などから割合を考えます。一般に、在宅での作業と関係が薄い水道代やガス代は、按分の対象にしにくいとされています。
割合を決めるときの進め方
初めて家事按分をする方は、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 仕事と生活の両方に使っている支出を洗い出す(家賃、電気代、スマホ、回線、車など)。
- 支出ごとに、面積・時間・距離など、いちばん説明しやすい基準を選ぶ。
- 1か月程度、実際の使い方を記録して割合を計算する。
- 決めた割合と根拠を一覧にして保管し、毎月の入力はその一覧に従う。
BackStageで事業使用割合を設定する手順
BackStageの領収書には「事業使用割合」という項目があり、1〜100%の範囲で領収書ごとに設定できます。全プランで利用できます。
- アプリで領収書を撮影し、店名・日付・金額などを確認します。家賃のように紙のレシートがない支出は、振込の控えや請求書などを撮影して登録します。
- カテゴリ(地代家賃・通信費・車両費など)を選びます。
- 事業使用割合に、決めておいた割合(例:25%)を入力します。
- メモ欄に「専有60㎡中15㎡を仕事部屋として使用」など、割合の根拠を書き残します。
- 保存します。登録済みの領収書は、アプリまたはWeb版の編集画面から割合を変更できます。
毎月発生する家賃や通信費は、同じ割合で入力し続けることが大切です。月ごとに割合がばらつくと、根拠の説明が難しくなります。割合を見直すときは、引っ越しや仕事部屋の変更など、理由がはっきりしたタイミングにしましょう。
設定した割合はどこに反映されるか
領収書ごとに設定した事業使用割合は、確定申告プランの確定申告サマリーで、勘定科目別の経費内訳を集計するときに反映されます。家賃12万円・割合25%の領収書なら、経費としては3万円で集計されるイメージです。年に一度はサマリーで地代家賃や通信費の年間合計を確認し、想定した割合どおりの金額になっているか、入力漏れの月がないかを見直しましょう。
一方、Businessプランの会計ソフト用仕訳CSVには、事業使用割合は反映されません。領収書の金額がそのまま経費仕訳として出力されます。会計ソフトに取り込む場合は、会計ソフト側で按分の処理をするか、取り込み後に修正する必要があります。
注意点とよくあるつまずき
- 割合は1〜100%:0%は設定できません。完全に私用の支出は、そもそも経費として登録しないようにしましょう。
- 仕訳CSVとの差:確定申告サマリーの経費と、会計ソフトに取り込んだ経費が合わない場合、多くは家事按分の反映の有無による差です。按分している領収書を把握しておくと照合が楽になります。
- 持ち家の場合:自宅が持ち家のときは、家賃ではなく減価償却費や住宅ローンの利息、固定資産税などの一部を按分の対象として考えるのが一般的で、扱いがやや複雑になります。
- 高すぎる割合:生活空間と区別できない部屋を100%にするなど、実態とかけ離れた割合は認められにくくなります。
家事按分の割合に法律で決まった数字はなく、実態に合っているかどうかで判断されます。自分の割合が妥当か不安なときや持ち家の扱いについては、最新の情報や個別の判断を国税庁などの公式情報や税理士に確認してください。
まとめ
家事按分は、仕事と生活の両方に使う支出を、面積・時間・走行距離などの根拠にもとづいて分ける考え方です。BackStageでは領収書ごとに事業使用割合を1〜100%で設定でき、確定申告サマリーの経費集計に按分後の金額が反映されます。
割合を決めたら根拠をメモ欄に残し、毎月同じ割合で入力し続けましょう。会計ソフトと併用する場合は、仕訳CSVには按分が反映されない点だけ忘れずに押さえておいてください。
よくある質問
Q. 家事按分の割合はBackStageのどこで設定しますか?
領収書の登録・編集画面にある「事業使用割合」で、1〜100%の範囲で領収書ごとに設定します。登録済みの領収書もアプリやWeb版から変更できます。
Q. 家事按分は会計ソフト用の仕訳CSVにも反映されますか?
反映されません。仕訳CSVには領収書の金額がそのまま出力されるため、按分は会計ソフト側で処理してください。家事按分が反映されるのは確定申告サマリーの経費集計です。
Q. 自宅家賃の按分割合は何%が正解ですか?
決まった数字はなく、仕事に使う面積や時間など実態にもとづいて決めます。根拠をメモに残し、判断に迷う場合は税理士などの専門家に確認してください。