BackStageでできること #36|顧客ステータスと社内メモで取引先を整理する
取引先が増えてくると、「この会社とは今どういう関係だったか」「前回の値引きの経緯は何だったか」を思い出せなくなる瞬間が出てきます。メールや手帳、スマホのメモに記録が散らばっていると、探すだけで時間がかかり、外注先やアシスタントに仕事を引き継ぐときにも説明が大変です。
この記事では、BackStageの顧客ステータス(見込客・取引中・中止・NG)で取引先を整理する方法と、顧客メモ・見積や請求の社内メモを使って交渉の経緯を残すコツを解説します。メモに書く内容のテンプレートや、書かないほうがよいことの注意点もあわせて紹介します。
顧客ステータス4種類の使い分け
BackStageの顧客には、次の4つのステータスを設定できます。顧客の登録は全プランで無制限なので、まだ取引のない相手も含めて登録し、ステータスで区別するのがおすすめです。
- 見込客:問い合わせや紹介があり、見積や打合せの段階にある相手
- 取引中:継続的、または現在進行中の取引がある相手
- 中止:取引が終了した、または当面の予定がない相手。条件が合えば再開の可能性もある
- NG:支払いの遅延が繰り返された、条件が合わないなど、今後の取引を控えると判断した相手
判断の目安は、「次にこちらから連絡する理由があるかどうか」です。見込客と取引中は自分から動く相手、中止は様子を見る相手、NGは新しい依頼を受ける前に立ち止まって確認する相手、と位置づけると迷いにくくなります。
2種類のメモの役割を分ける
BackStageには、性質の違う2種類のメモがあります。1つは顧客情報のメモ欄で、最大5,000字まで書けます。もう1つは見積書・請求書ごとの社内メモで、1件につき複数のメモを最大2,000字ずつ残せ、取引先には表示されません。
顧客メモには、その取引先との関係全体に関わる情報を書きます。担当者の名前と部署、連絡のつきやすい時間帯、請求書の送り先や必要な書類の指定、源泉徴収の要否といった、毎回の取引で参照する情報です。一方、見積書・請求書の社内メモには、その案件に固有の経緯を書きます。値引きの理由、納期の変更、修正の依頼、入金額の差額の理由などです。
社内メモは1件の見積書・請求書に何件でも追加できるので、やり取りがあるたびに新しいメモを足していく使い方が向いています。「10/3 先方より納期を1週間延ばしたいと連絡」「10/8 延長に合わせて支払期限も変更で合意」のように時系列で積み重ねれば、案件の経緯を後から1本の流れとして読み返せます。1つのメモに上書きで追記していくより、変化の順番が分かりやすくなります。
こうして分けておくと、取引先を開けば「付き合い方の基本」が、案件を開けば「その仕事の経緯」が分かる状態になります。顧客詳細画面にはその顧客の請求履歴も一覧で表示されるため、過去の取引をたどるのも簡単です。
顧客情報とメモを整える手順
- 顧客一覧から取引先を開き、会社名・メール・電話・住所などの基本情報を確認します。郵便番号を入力すると住所が自動で入ります。
- 顧客ステータスを、現在の関係に合わせて「見込客」「取引中」「中止」「NG」から選びます。
- 支払いサイクルと敬称(様/御中)を設定します。
- 顧客メモに、担当者・連絡方法・請求に関するルールなど、毎回参照する情報を書きます。
- 進行中の見積書・請求書を開き、社内メモに交渉の経緯や次のアクションを日付とあわせて残します。
顧客メモは、次のような見出しをつけて書くと、引き継ぐ人にも読みやすくなります。「担当:営業部 ○○様(平日10〜17時に連絡可)」「請求:月末締め、PDFをメールで○○様宛て。件名に案件名必須」「源泉徴収:あり」「経緯:2026年4月に紹介で取引開始。単価は年1回見直し」。
見直しのタイミングと引き継ぎへの活かし方
顧客ステータスは、月に1度など決まったタイミングで見直すと実態とずれにくくなります。半年以上取引のない「取引中」の顧客は「中止」に、見積が成約した「見込客」は「取引中」に変えるなど、請求履歴を見ながら更新しましょう。中止の顧客の中から、季節の案内や新しいサービスの紹介を送る相手を選ぶ、といった使い方もできます。
見込客の管理は、見積書のステータスと組み合わせると効果的です。見込客の顧客に「送付済」や「保留」の見積があれば、それが次に追いかける案件です。逆に、見込客なのに見積が1件もない相手は、問い合わせへの返事や提案が止まっている可能性があります。顧客一覧と見積一覧を行き来しながら、関係と案件の両方に抜けがないかを確かめましょう。
仕事を誰かに引き継ぐ場面でも、メモは力を発揮します。顧客メモと社内メモが整っていれば、それをもとに取引先ごとのルールと案件の経緯を短時間で整理して伝えられます。顧客一覧はWebからCSVで出力することもできるので、取引先の一覧表として渡すことも可能です。
メモを書くときの注意点
1つ目は、事実と判断を分けて書くことです。特にNGの理由は、「9月分の入金が期限から45日遅れ。2回催促のうえ入金」のように、日付と事実を中心に書きます。感情的な評価や憶測は、後から読み返したときに判断を誤らせる原因になります。
2つ目は、必要以上の個人情報を書かないことです。担当者の私生活に関することや、業務に関係のない情報は記録しないようにしましょう。メモは自分の業務のための記録ですが、将来誰かと共有する可能性も考えて、見られて困る書き方はしないのが基本です。個人情報の取り扱いについて迷う場合は、専門家に確認してください。
3つ目は、顧客を削除する前に考えることです。顧客を削除しても、発行済みの見積書・請求書は当時の宛先を保持したまま残りますが、顧客一覧からは消えるため、顧客メモやステータスを確認できなくなります。取引が終わった相手は削除せず「中止」にしておくほうが、経緯をあとから振り返れます。
まとめ
顧客ステータスは取引先との「今の関係」を、メモは「これまでの経緯」を残すための道具です。見込客・取引中・中止・NGの4つで関係を整理し、顧客メモには付き合い方の基本、社内メモには案件ごとの経緯を書き分けると、必要な情報にすぐたどり着けます。
月に1度ステータスを見直し、メモは事実を中心に日付とあわせて残す。この習慣が、取引先が増えても慌てない仕事の土台になり、引き継ぎの負担も大きく減らしてくれます。
よくある質問
Q. 顧客ステータスにはどんな種類がありますか?
見込客・取引中・中止・NGの4種類です。顧客ごとに設定でき、顧客の登録は全プランで無制限です。
Q. 社内メモは取引先に見えますか?
見えません。見積書・請求書ごとの社内メモは取引先には表示されず、1件につき複数のメモを最大2,000字ずつ残せます。
Q. 顧客を削除すると過去の請求書はどうなりますか?
発行済みの見積書・請求書は当時の宛先を保持したまま残ります。ただし顧客一覧からは消え、メモやステータスを確認できなくなるため、取引終了の相手は「中止」にしておくのがおすすめです。