BackStageでできること #44|青色申告特別控除65万・55万・10万の違いと参考PDF
青色申告をすると最大65万円の控除が受けられる、と聞いたことがある方は多いはずです。ところが実際には、控除額は65万円・55万円・10万円と分かれていて、どれになるかは帳簿の付け方や申告書の出し方で変わります。
この記事では、青色申告特別控除の3段階の違いと、BackStageの確定申告プランで控除額がどのように判定されるか、そして申告方式に応じて出力される参考資料PDF(青色申告決算書/収支内訳書)の見方を解説します。
青色申告特別控除の3段階
青色申告特別控除は、青色申告の承認を受けた個人事業主が、所得から差し引ける控除です。一般的には次のように整理されます。
- 65万円:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告したうえで、e-Taxによる申告、または優良な電子帳簿の保存のいずれかを行う場合。
- 55万円:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告するが、65万円の追加要件(e-Taxによる申告または優良な電子帳簿の保存)を満たさない場合。
- 10万円:簡易な帳簿で記帳している場合など、上記の要件を満たさない青色申告。
白色申告の場合、青色申告特別控除はありません。また青色申告をするには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出して承認を受けておく必要があります。
BackStageでの判定の仕組み
BackStageの確定申告ウィザードでは、「申告方法」のセクションで、青色申告か白色申告か、記帳方法が複式簿記か簡易簿記か、e-Taxなどで申告する予定かといった質問に答えます。その回答をもとに、納付額の目安を計算するときの控除額が次のように決まります。
- 青色・複式簿記・e-Tax等の予定あり:65万円
- 青色・複式簿記・紙での提出:55万円
- 青色・簡易簿記:10万円
- 白色:控除なし
控除額の違いは、課税所得にそのまま影響します。たとえば65万円と10万円では、課税所得に55万円の差が出ます。所得税の税率が20%の所得帯なら、所得税だけで11万円程度、そこに復興特別所得税も加わる計算です。複式簿記で記帳しているなら、提出方法を見直す価値は十分にあります。
どの控除額を目指すかの判断基準
控除額が大きいほど税負担は軽くなりますが、その分だけ記帳の手間も増えます。自分に合った段階を選ぶために、次の点を考えてみてください。
- 会計ソフトを使っているか:複式簿記の帳簿は、会計ソフトを使えば仕訳の入力から貸借対照表の作成まで進めやすくなります。BusinessプランならBackStageの売上・経費を仕訳CSVとして取り込めます。
- e-Taxで申告できるか:複式簿記で記帳しているなら、提出方法をe-Taxなどにするだけで55万円から65万円に上がる可能性があります。
- 記帳に割ける時間:開業したばかりで記帳に慣れていない場合は、まず簡易な帳簿で10万円控除から始め、翌年以降に複式簿記へ移る方法もあります。
ウィザードで申告方式を設定する手順
確定申告プランは対象年度ごとの買い切りで、購入した年度の集計画面とウィザードが使えるようになります。
- 対象年度の確定申告プランを購入します。
- 確定申告ウィザードを開き、「はじめに」「基本情報」に進みます。氏名や住所は設定画面の情報が自動で反映されます。
- 「申告方法」で、収入の種類、青色か白色か、記帳方法(複式/簡易)、e-Taxなどで申告する予定かを選びます。
- 売上確認・経費確認・所得確認・所得控除・源泉徴収確認と進み、最後に計算します。
- 確定申告サマリーで申告方式の設定を確認し、参考資料PDFを出力します。
記帳方法を「複式」と答えるのは、実際に複式簿記で帳簿を付けている場合です。BackStageの集計は請求書と領収書をもとにしたもので、それだけで複式簿記の帳簿一式が整うわけではありません。帳簿は会計ソフトなどで管理しているか、事前に確認しておきましょう。
参考資料PDFの見方
BackStageでは、申告方式に応じて「青色申告決算書(損益計算書)」または「収支内訳書」という表題の参考資料PDFを出力できます。これは国税庁の正式な様式ではなく、申告書を作成するときに数字を書き写したり、税理士と確認したりするための資料です。PDFにもその旨が明記されています。
主な記載内容は次のとおりです。
- 収入金額:発生主義(請求日基準)の売上と、そのうち入金済み・未入金の内訳。
- 経費の科目別内訳:領収書のカテゴリごとの合計。家事按分を設定した領収書は按分後の金額です。
- 所得金額:収入金額から経費を引いた金額。
- 青色申告特別控除額:ウィザードの回答から判定した控除額。
- 所得控除の内訳:登録した基礎控除・社会保険料控除などの一覧。
- 納付額の目安:課税所得、所得税、復興特別所得税、源泉徴収税額。
- 確認事項:申告前に確認しておきたい点。
見るときは、まず収入金額の未入金の内訳を確認し、年末の請求がきちんと含まれているかをチェックします。次に経費の科目別内訳で、雑費が多すぎないか、極端に大きい科目がないかを確かめましょう。
注意点とよくあるつまずき
- 正式な様式ではない:参考資料PDFはそのまま提出する書類ではありません。申告書は国税庁の様式や会計ソフトなどで作成します。
- 貸借対照表は別に用意する:参考資料PDFの記載項目は損益と税額の目安が中心で、65万円・55万円の控除で添付が必要な貸借対照表にあたるものは含まれていません。
- 申請していない青色申告:承認申請をしていない年は青色申告にはなりません。ウィザードで青色を選ぶ前に、承認を受けているか確認しましょう。
- 期限内申告:一般に55万円・65万円の控除は期限内の申告が前提で、期限後の申告では10万円の控除になるとされています。
- 控除は所得が上限:一般に、青色申告特別控除は控除前の所得金額が上限です。所得が控除額より少ない年は、所得金額までしか差し引けません。
控除の要件は改正されることもあります。最新の情報や個別の判断は、国税庁などの公式情報や税理士に確認してください。
まとめ
青色申告特別控除は、複式簿記かどうか、e-Taxなどで申告するかどうかで65万円・55万円・10万円に分かれます。BackStageでは、ウィザードの「申告方法」の質問に答えるだけで控除額を判定し、納付額の目安に反映します。
出力される青色申告決算書・収支内訳書の参考資料PDFは、正式な様式ではなく、申告書作成や税理士との確認に使う資料です。収入の未入金分と経費の科目別内訳を中心にチェックして、申告前の見直しに役立ててください。
よくある質問
Q. 青色申告特別控除の65万円と55万円の違いは何ですか?
どちらも複式簿記での記帳や貸借対照表・損益計算書の添付などが前提で、65万円はさらにe-Taxによる申告、または優良な電子帳簿の保存を行う場合です。BackStageではウィザードの回答から控除額を判定します。
Q. BackStageの青色申告決算書PDFはそのまま提出できますか?
できません。PDFは国税庁の正式な様式ではない参考資料で、申告書の作成や税理士との確認に使うためのものです。
Q. 白色申告の場合はどんなPDFが出力されますか?
申告方式を白色にすると「収支内訳書」という表題の参考資料PDFになります。白色申告には青色申告特別控除はありません。