BackStageでできること #45|納付額の目安の計算の流れと所得控除の入れ漏れチェック
確定申告の準備で一番気になるのは「結局いくら払うのか」です。BackStageの確定申告プランでは、売上・経費・控除の情報から納付額の目安を計算できますが、その数字がどう出てきたのかを理解しておくと、入力漏れや思い違いに気づきやすくなります。
この記事では、納付額の目安が計算される流れを順を追って解説し、具体的な数字で計算例を示します。あわせて、所得控除の入れ漏れを防ぐチェックリストと、BackStageが自動で計算しない控除の扱いも紹介します。
納付額の目安ができるまでの流れ
BackStageの税額計算は、AIによる推定ではなく、決まった計算ルールで行われます。流れは次のとおりです。
- 事業所得:売上(請求日基準)から経費(家事按分後)を差し引きます。
- 青色申告特別控除:ウィザードの回答にもとづき65万円・55万円・10万円を差し引きます(白色はなし)。
- 基礎控除:所得に応じた表から自動で判定して差し引きます。
- 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者の有無と所得から、表にもとづいて自動計算します。
- その他の所得控除:社会保険料控除などを、入力した金額のまま合算して差し引きます。
- 課税所得:ここまでの結果の1,000円未満を切り捨てます。
- 所得税:課税所得に速算表を当てはめて計算します。
- 復興特別所得税:所得税額の2.1%を加えます。
- 端数処理:所得税と復興特別所得税の合計の100円未満を切り捨てます。
- 源泉徴収税額の差し引き:請求書で源泉徴収された税額などを差し引いたものが、納付額の目安です。マイナスになる場合は、還付の目安として表示されます。
数字で追う計算例
仮に、控除をすべて差し引いた後の課税所得が300万円、1年間に源泉徴収された税額の合計が15万円だったとします。
- 所得税:課税所得300万円は、速算表で「195万円超330万円以下」の区分にあたり、税率10%・控除額97,500円です。300万円×10%−97,500円=202,500円。
- 復興特別所得税:202,500円×2.1%=4,252.5円。
- 合計:202,500円+4,252.5円=206,752.5円。100円未満を切り捨てて206,700円。
- 源泉徴収の差し引き:206,700円−150,000円=56,700円。これが納付額の目安です。
もし源泉徴収税額が25万円だったなら、206,700円−250,000円でマイナス43,300円となり、還付の目安として表示されます。請求書で源泉徴収をされる仕事が多い方ほど、源泉徴収税額の集計が正確かどうかが結果を大きく左右します。
課税所得を出すまでの流れも、数字で確認しておきましょう。たとえば売上600万円、家事按分後の経費180万円なら事業所得は420万円です。青色申告特別控除65万円を差し引くと355万円になり、そこから基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引いて、1,000円未満を切り捨てた金額が課税所得になります。
なお、計算されるのは所得税と復興特別所得税の目安です。住民税や個人事業税、消費税は含まれません。
所得控除の入れ漏れチェックリスト
納付額の目安がずれる原因で多いのが、所得控除の入れ漏れです。ウィザードの「所得控除の選択」と「控除の金額入力」で、次の項目を一つずつ確認しましょう。
- 社会保険料控除:国民健康保険料、国民年金保険料。家族の分を自分が支払った場合も一般に対象になります。
- 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済やiDeCoの掛金。
- 生命保険料控除:生命保険・医療保険・個人年金保険の保険料。
- 地震保険料控除:地震保険の保険料。
- 医療費控除:一般に、1年間の医療費が10万円(所得によってはそれより低い基準)を超えた部分が対象です。
- 寄附金控除:ふるさと納税など。所得税では一般に寄附額から2,000円を差し引いた額が控除の対象です。
- 扶養控除:扶養している親族がいる場合。BackStageでは自動計算されないため、手動で追加します。
控除証明書や領収書は、届いた時点で1つのクリアファイルにまとめておくと、入力のときに慌てません。
注意点:BackStageが計算しない部分
BackStageの計算には、あえて自動化していない部分があります。結果は常に「確定税額ではなく目安」として表示されます。
- 上限計算はしない:生命保険料控除・地震保険料控除・医療費控除などは、入力された金額をそのまま合算します。支払った保険料をそのまま入れると、控除額が実際より大きくなってしまいます。控除証明書などをもとに、上限や計算式を当てはめた後の「控除額」を入力してください。
- 扶養控除は手動:扶養家族の人数や年齢によって金額が変わるため、自動計算されません。該当する場合は控除額を自分で追加します。
- 本人の所得が多い場合の配偶者控除:本人の所得が一定額を超える場合の配偶者控除の扱いには対応していません。
- 源泉徴収の未登録分:BackStageの請求書以外で源泉徴収された報酬がある場合は、ウィザードの源泉徴収確認で追加します。
控除の要件や金額は年によって改正されることがあります。最新の情報や個別の判断は、国税庁などの公式情報や税理士に確認してください。
目安を申告準備に生かすコツ
納付額の目安は、一度計算して終わりではありません。年明けに一度計算しておき、控除証明書がそろったら入力を追加して再計算する、というように段階的に精度を上げていくのがおすすめです。
- 源泉徴収の合計を照合する:取引先から届く支払調書などがあれば、BackStageで集計された源泉徴収合計と見比べます。差がある場合は、未登録の請求や入力ミスがないかを確認します。
- 売上の未入金分を確認する:年末に請求した仕事が売上に含まれているかを、確定申告サマリーの入金済み・未入金の内訳で確かめます。
- 納付の資金を準備する:目安が分かれば、納付期限までにいくら用意すればよいかの見通しが立ちます。
まとめ
納付額の目安は、事業所得から青色申告特別控除と所得控除を差し引いて課税所得を出し、速算表で所得税を計算、復興特別所得税2.1%を加えて100円未満を切り捨て、源泉徴収税額を差し引くという流れで計算されます。
数字の精度を上げる鍵は、所得控除の入れ漏れをなくすことと、上限計算後の控除額を入力することです。チェックリストを使って一つずつ確認し、出てきた目安を申告準備の土台として活用してください。
よくある質問
Q. BackStageの納付額の目安は確定した税額ですか?
いいえ、確定税額ではなく目安です。生命保険料控除などの上限計算や扶養控除の自動計算は行わないため、申告前に内容を確認してください。
Q. 生命保険料控除には支払った保険料をそのまま入力すればいいですか?
BackStageは入力額をそのまま合算し、上限計算をしません。控除証明書などをもとに計算した後の控除額を入力してください。
Q. 納付額の目安には住民税も含まれますか?
含まれません。計算されるのは所得税と復興特別所得税の目安で、源泉徴収税額を差し引いた金額が表示されます。